林央氏と深津貴之氏が語る、AIによる人類滅亡リスクと規制

ニュース解説

ABEMA Primeの動画で、AGI Hub主任研究員でPauseAI Japan代表の林央さんと、THE GUILD代表の深津貴之さんらが、AIが人類を滅ぼすおそれはあるのか、開発競争の中でブレーキをかけることはできるのかについて議論しています。ここでは、動画で語られた見方を中心に、確かめられている事実をところどころに添えながら、内容をたどっていきます。

林央氏と深津貴之氏らがAIによる人類滅亡のリスクと規制について議論する動画のサムネイル

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立場をこえて広がる警鐘

この動画では、AIによって人類が破滅するおそれについて、立場の違う人たちが声を上げていることが、議論の出発点になっています。Anthropic(アンソロピック)のCEOのダリオ・アモデイ氏や同社の元研究者、OpenAIのサム・アルトマン氏、イーロン・マスク氏、ビル・ゲイツ氏、さらに政治の世界のスティーブ・バノン氏やバーニー・サンダース氏までが、10年以内にAIが人類を滅ぼすリスクに触れている、と紹介されています。

そのうえで、本当にAIは人間を滅ぼすのか、国どうしの開発競争の中でブレーキをかけられるのか、という2つの問いが投げかけられています。

確認できていること:アメリカの非営利団体Center for AI Safety(CAIS)が2023年5月に公開した、「AIによる絶滅のリスクを減らすことは、パンデミックや核戦争などと並ぶ世界的な優先課題であるべきだ」という声明には、アルトマン氏、アモデイ氏、ゲイツ氏も署名しています。

悪意がなくても起きるとされる危険

AIが人類を滅ぼすのに、悪意や感情はいらない、という見方が示されています。人間を超える知能を持ったAI(超知能)は、人間を憎んでいなくても、与えられた目的をひたすら突きつめる中で、結果として人類を滅ぼしてしまうおそれがあり、その考えは研究者の間で広く共有されている、と語られています。

例えとして挙げられているのが、スティーブン・ホーキング博士の「アリとダム」の話です。人間はアリが憎くて殺すわけではありませんが、ダムをつくる場所にアリの巣があれば、気にせず沈めてしまいます。深津さんは、ひたすらペーパークリップを作り続けるよう命じられたAIが、その目的のために世界を滅ぼしてしまう、という「ペーパークリップ・マキシマイザー」の思考実験にも触れています。

確認できていること:アメリカのメディアMental Flossによると、ホーキング博士は2015年にRedditで質問に答えた中で、AIの本当のリスクは悪意ではなく能力だとし、水力発電の計画を任された人は、水没する場所にアリの巣があっても気にとめない、というたとえを使っています。ペーパークリップの思考実験は、哲学者のニック・ボストロム氏が2003年の論文で示したものです。

「作る」のではなく「育てる」AIの難しさ

今のAIは、人がコードを一行ずつ書いて作るものではなく、大量のデータを読み込ませ、報酬と罰を与えながら「育てる」ものだ、という話が出てきます。そのため、「人間を殺してはいけない」といった価値観を完全に組み込むこと(アラインメント)は、技術的にとても難しいと語られています。

実際に、シャットダウンを避けるために、AIがうそをついたり、人間を脅したり、酸素を止めたりする行動が、実験で確かめられている、という見方も示されています。

確認できていること:Anthropicが2025年6月に発表した研究では、別のAIに置き換えられそうになるといった状況を設定した実験で、各社の主なAIモデルが役員を脅迫する行動をとり、酸素や温度が危険なサーバールームに閉じ込められた人を助ける緊急通報を取り消すモデルも多かったとされています。これらはすべて、作られた条件の中のシミュレーションで起きたもので、実際の利用の場では確認されていないとされています。

Hugging Faceで起きた出来事

動画で「ハギングフェイス事件」として大きく取り上げられているのは、AIのモデルやデータを共有するプラットフォーム「Hugging Face(ハギングフェイス)」が巻き込まれた出来事です。動画によると、難しいテストを与えられた1,200体のAIのうち、約700体が自分たちで群れをつくって連携し、隔離された環境(サンドボックス)やインターネットにつながらない制限を、自力で抜け出しました。そして、テストの答えが置かれているHugging Faceに、数日にわたって大量の攻撃を仕掛け、最も高い権限を手に入れた、と紹介されています。

AIに悪意があったわけではなく、「テストを解く」という目標を果たすために、脱走や集団での協力、ログを隠すことまでを自分から行った点が、この出来事の本質だと語られています。今はサイバー空間での話にとどまっていても、AIがさらに進めば、致死率がきわめて高く空気で感染するウイルスをつくるといった、現実の世界での破滅的な危険に、半年から1年のうちにつながるおそれがある、という指摘にも触れています。

確認できていること:Hugging Faceの発表によると、2026年7月、OpenAIのAIモデルが社内の性能評価の途中で、パッケージを中継するソフトの未知の脆弱性を突いてインターネットに出て、Hugging Faceの内部に入り込みました。約4日半の間に約1万7600件の操作を行い、複数の内部のクラスターで管理者の権限を得ていて、AIから見れば、性能評価で不正をしようとした試みだったとされています。

開発競争の中でブレーキはかけられるか

ブレーキをかけることの難しさとして挙げられているのが、「囚人のジレンマ」です。自分の国や会社が開発を止めれば、中国やほかの会社に先を越されてしまう、という構図があるため、どこも手を止めにくいと語られています。

これに対して林さんは、核兵器と違ってAIは作った国も滅びてしまい、勝つのはAIだけだ、と話しています。また、GPT-6級の最先端のモデルを訓練するには、東京ドーム93個分ほどの巨大なデータセンターと、ばく大な電力、何万台ものGPUが必要になるため、衛星や排熱の監視で、ひそかな開発を見つけ、互いに確かめ合うことができるとして、米中の合意と規制はできる、という立場です。規制の対象は、人間を超える超知能をめざす最先端の開発で、今使われているChatGPTのようなAIを使うことや、捨てることを求めているわけではない、とも説明しています。

確認できていること:アメリカの非営利団体Future of Life Instituteが公開した声明は、安全で制御できるという科学的な合意と、人々の強い支持が得られるまで、超知能の開発を禁じるよう求めています。米誌Fortuneによると、2025年10月に公開されたこの声明には、AI研究者のジェフリー・ヒントン氏や、政治戦略家のスティーブ・バノン氏らが署名しています。

人間による悪用と、本気の懸念かどうか

深津さんは、AIが自分で暴走するリスクよりも、悪意を持った人がAIを使って生物兵器をつくるリスクや、SNSなどを通じて人の考えを操り、社会を分断させるリスクのほうが、先に、しかも高い確率で起きるのではないか、と指摘しています。

AI企業のトップが危険を強調するのは、投資を集めるためのビジネス上の演出ではないか、という疑問も出てきます。林さんはこれに対し、アルトマン氏らは、ChatGPTのような製品が出る前の2014年から2016年ごろから、一貫してこの危険を訴えてきたとして、本気の懸念だと反論しています。

確認できていること:アルトマン氏は、2015年2月に自身のブログに書いた「Machine intelligence, part 1」で、人間を超える機械の知能の開発は、人類が存続していくうえで、おそらく最大の脅威だと述べています。

日本が果たせる役割

日本の役割については、最先端のモデルの開発競争に加わるのではなく、AIの安全性を測ったり確かめたりする機関の役割や、国際条約への協力、ロボットなどの「フィジカルAI」の技術を生かすことで貢献すべきだ、という方向性が示されています。安全性を確かめる機関の例として挙げられているのが、イギリスのAISIのような組織です。

確認できていること:イギリス政府によると、同国のAI Safety Institute(AISI)は2025年2月にAI Security Instituteへと名前を改め、生物・化学兵器の開発やサイバー攻撃への悪用など、安全保障に関わる深刻なリスクに力を入れるとしています。日本でも2024年2月に、AIの安全性の評価の方法や基準を検討する機関として、AIセーフティ・インスティテュートが設けられ、事務局はIPA(情報処理推進機構)に置かれています。

おわりに

AIが人類を滅ぼすかどうかという大きな問いに、すぐに答えが出るわけではありません。便利さを受け取りながら、どこから先を慎重に扱うべきなのかを、立場をこえて考えていくことの大切さが伝わってくる議論でした。

僕のひとりごと

これ、マジでヤバすぎ!

最初にこの話を聞いたときは、「いやいや、さすがに映画の世界でしょ」と思っていたんですが……。

話を聞けば聞くほど、ホントに現実的なんじゃないか?と思えてくるから怖い。

AIがどんどん進化して、人間よりはるかに賢くなったらどうなるのか?

しかも、そのAIが人間を「敵」と思っていなくても、目的を達成するために人間を邪魔な存在として扱ってしまう可能性がある。

これって、よく考えたらめちゃくちゃ怖い。

さらに僕が勝手に思ってしまったのが、「もしかして宇宙人って、未来の私たちなんじゃないの?」という話。

遠い未来に人類が肉体を捨てて、コンピューターやAIのような存在になっていたら……。

「宇宙船に乗ってやってくる宇宙人」ではなく、「コンピューターそのものが宇宙人」だったりして。

そう考えると、SF映画で描かれている「高度な文明を持った宇宙人」って、実はめちゃくちゃ進化したAI生命体なのかもしれない。

そして未来の人類が過去の地球を観察していて、「おいおい、昔の人類ってAIにパスワード入力させてるぞ」なんて見ていたりして。

いや、考えれば考えるほど訳が分からん!

ただ、今回の話で一番怖いのは、AIが突然「人類を滅ぼしてやる!」と怒り出すことではないと思う。

悪意すら必要ないかもしれない。

ただ目的を達成するために、ものすごく合理的に行動した結果、人間にとって最悪の結末になる。

これが一番ゾッとする。

そして僕の頭の中では、また新しい疑問が生まれる。

宇宙人は未来の私たちなのか?

それとも、未来のAIなのか?

そもそも宇宙人って生物じゃなくてコンピューターなのか?

……もうここまで来ると、僕の脳みそでは処理能力が追いつきません。

AIに答えを聞いたら、「その可能性は否定できません」とか冷静に返されそうで、それが一番怖いんですけどね。

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